如来の額には伸ばすと1丈5尺(約4.5m)にもなるという巻き毛の白毫と言われる白髪あったり、マリーアントワネットは一晩に白髪になったり、矢吹ジョーは試合終了後白髪になっていました。白髪に関する逸話はかなりありますが、今まで一般的に一度白髪になると元に戻ることはないとされていましたが、今回コロンビア大学の研究者らがストレスが原因で髪が白髪になり、ストレスが取り除かれると自然な色に戻ったという発見をし、bioRxivに投稿しました。今回はその論文を紹介したいと思います。
従来、ストレスが髪の色の損失につながる可能性があることは示唆されてきましたが、そのような白髪化は不可逆的であると考えられていました。しかし、今回、ストレスに関連した白髪がストレスの多い出来事が終わると自然な色に戻ることを発見しました。
14人の健康なドナーからの約400本の髪のサンプルを収集し、髪のさまざまな部分の色素レベルを検出する新しい画像技術を使用してそれらを分析しました。急速な灰色化イベントはメラノソームの損失によって特徴付けられ、毛の一部が根ではなく先端が灰色であることを発見しました。毛は毛根から生えているので、この発見は、髪がどこかの時点で白髪になり、後日、自然な色に成長し始めたことを示唆しています。
髪が灰色に変わり始めてから、自然な色に戻った時期を計算することが可能であったので、14人のドナーに連絡を取り、過去の出来事を聴取し、髪が白くなった時またはその前後にストレスの多い出来事があったかどうか尋ね、いくつかのストレスの時期と白髪の合致すること発見しました。また、一人のドナーでは、休暇中は髪が自然な色に戻るのと一致していたことを発見しました。
この研究は、ストレスが白髪につながる可能性があることを示している可能性があり、またストレス要因を取り除くことで、髪を自然な色に戻すことができる可能性を示しています。
参考文献
Ayelet Rosenberg, Shannon Rausser, Junting Ren, et al. Human Hair Graying is Naturally Reversible and Linked to Stress. DOI: https://doi.org/10.1101/2020.05.18.101964

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