Nichole S. Tyler et al, An artificial intelligence decision support system for the management of type 1 diabetes, Nature Metabolism (2020). DOI: 10.1038/s42255-020-0212-y
– MDI療法を使用してT1Dを持つ成人に毎週のインスリンの推奨投与量を提供するアルゴリズム
– 仮想プラットフォーム*1を使用して、50,000以上のグルコース観測を生成しアルゴリズムをトレーニング
– 16名の実際のT1D患者にアルゴリズムを使用
– DailyDoseと呼ばれるスマートフォンアプリと組み合わせることで、アルゴリズムの推奨は内分泌医の67.9%と一致
– アルゴリズムは低血糖症または低グルコースの低減に繋がった
このオレゴン健康科学大学の研究では仮想プラットフォームを使用した仮想のデータから作成したインスリンの推奨投与量アルゴリズム(k-nearest neighbours4 decision support system :KNN-DSS)が実際の内分泌専門医と67.9%が一致したということはAIの一つの優秀さを示していると思います。さらに4週間にわたって1型糖尿病の16人の治療をKNN-DSSモデルで行なったところ低血糖症または低グルコースの頻度を減らして、危険な状態から救う可能性に関してテストされています。この研究から、KNN-DSSが危険なインスリンレジメンの早期に識別し、血糖の転帰を改善し、T1D患者の生命を脅かす合併症を予防するために使用できる可能性があることを示しています。
今後さらに、研究が進めば実臨床でインスリン投与量をAIを参考に決定する未来があるかもしれません。
*1 Resalat, N., El Youssef, J., Tyler, N., Castle, J. & Jacobs, P. G. A statistical virtual patient population for the glucoregulatory system in type 1 diabetes with integrated exercise model. PLoS One 14, e0217301 (2019).
臨床医のための 医療AI概論 日経メディカル開発

Pythonによる医用画像処理入門 (医療AIとディープラーニングシリーズ) オーム社

最新 糖尿病診療のエビデンス 改訂版 日経BP
コメント