DPP4酵素の阻害はコロナウイルスの治療に繋がる可能性がある

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Pete LinforthによるPixabayからの画像

はじめに

COVID-19の流行はなかなかとどまることを知らず、治療法やワクチンに関しても日夜新しい情報が出てきています。インクレチンを分解する酵素であるDPP-4(Dipeptidyl Peptidase-4)を阻害することでCOVID-19の治療に効果があるかもしれないという論文がオーストラリアのモナシュ大学の研究者から投稿されました。今日はこの論文を紹介したいと思います。

論文に関して

一般的にDPP-4を阻害する薬剤(DDP-4阻害薬)は糖尿病の治療に使われていますが、この論文よりも以前の研究でSARSとMERSに対してはDPP4活性をブロックすると、炎症反応の減少がみられたことから、COVID-19に対しても効果がある可能性あると考えて基礎研究が行われました。この研究のメインは、COVID-19のスパイク糖タンパク質のホモ三量体構造をモデル化し、宿主細胞接着に関与する閉じた状態(リガンドフリー)と開いた状態(リガンド結合状態)の両方の構造を解析しています。COVID-19のスパイク糖タンパク質のS1ドメインが、病原性の鍵となる免疫調節因子であるCD26と相互作用する可能性があることが示されました。この、CD26がDPP4です。

最後に

まだこれから研究が必要ではありますが、COVID-19でも効果がある可能性が示唆されていました。また、COVID-19の治療法として完全に確立された方法はないと思いますが、今後治療方が確立されることを期待したいと思います。

参考文献

Naveen Vankadari, Jacqueline A. Wilce. Emerging COVID-19 coronavirus: glycan shield and structure prediction of spike glycoprotein and its interaction with human CD26. Emerging Microbes & Infections. Volume 9, 2020 – Issue 1,Pages 601-604

https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/22221751.2020.1739565


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