はじめに
以前、「人工呼吸器分割における世界初のブレークスルー」と題して、一台の人工呼吸器を使用してコンプライアンスの違う2つの人工肺の換気に成功したという論文を紹介しました。これは、手中治療室で人工呼吸器の使用しなければならない患者が増え、人工呼吸器が不足するという事態を受けての緊急措置でした。
Vent Multiplexor Co-Ventilation
今回紹介するのは、FDAが緊急承認した人工呼吸器を分割する為のディバイスです。イェール大学とイェールニューヘブン病院のメンバーで構成されるVent Multiplexor LLCの作成した1台の人工呼吸器を分割して2人の患者が同時に使用できるディバイスでVent Multiplexor Co-Ventilationと名付けられています。
Vent Multiplexor Co-Ventilationのポイントは、ただ単に人工呼吸器を2人の患者に使用できる様になるではなく、1回換気量が異なる2人の患者間で人工呼吸器を共有できるようなることです。PCVではなくVCVで使用することを想定したディバイスの様です。
既存の「Tコネクター」等を使用した場合と違い、呼吸器の設定が違う患者間で人工呼吸器が使えるのがポイントですね。
Vent Multiplexorは3D印刷技術を用いて作成されており、大量生産はできないですが、工場生産の必要がなく、必要な時に必要な分だけ作成できるのも強みだと思います。
Vent Multiplexor Co-VentilationはFDAに正式に承認された訳ではなく、FDAの緊急措置宣言中にもみ使えるというものですが、これを使用することで呼吸器不足が少しは改善される可能性がありますね。
動画
動画があったので、共有しておきます。
参考
Vent Multiplexor LLC

感染列島
いずみ野市立病院の救命救急医・松岡剛のもとに、一人の急患が運び込まれてくる。その患者は高熱に痙攣、吐血を催し、全身感染ともいえる多臓器不全に冒されていた。しかし、あらゆるワクチンを投与するも虚しく、患者は死亡してしまうのだった。さらに、正体不明のウイルスは医療スタッフや患者たちにも感染、病院がパニック状態に陥ってしまう…。(C)2009 映画「感染列島」製作委員会
コメント