感染症の数理モデル

covid-19medical
Pete LinforthによるPixabayからの画像

COVID-19の収束を考えるときによく話に出てくるのが、集団免疫という単語ですが、いまいちこの単語の意味がピンと来ないのでまとめてみました。

ここで大切になってくる単語は「基本再生産数(basic reproduction number:R0)」です。

基本再生産数
ある感染症に感染した1人がその感染症に対して免疫を持たない集団に入った時に、平均して何人に直接感染させるかという人数。

この基本歳生産数の値によって感染症の状態が決まってきます。

  • R0 > 1 感染拡大のフェーズ
  • R0 < 1 感染は収束に向かう
  • R0 = 1 感染は拡大も収束もせずその地域に風土病のように根付く

R0の例

感染症感染経路R0
麻疹飛沫核感染12–18
天然痘飛沫感染5–7
ポリオ経口感染5–7
風疹飛沫感染5–7
インフルエンザ飛沫感染2程度

まだ、COVID-19の基本歳生産数ははっきりわかっていませんが、論文により1.4-2.7と開きがあります。もちろん、R0の値は感染の状況や、国や社会背景によってかわるものなのでなんとも言えませんが。集団内の免疫保持者の割合が(集団免疫閾値)、(R0-1)/R0よりも大きくなれば、「集団免疫」が働くことにより、感染症は収束に向かいます。

急激に感染者が増えて医療崩壊を起こすことは絶対に避けなければいけませんが、ワクチンができるまでは徐々に感染者が出て免疫保持者の割合が徐々に増えていくことが大切です。(ワクチンが完成すれば、感染することなく免疫を持つことが可能になる。)ワクチンができたとしても集団内のどれだけの人にワクチン投与をしなければいけないかを考える必要があります。例えば、R0が10をこえる感染症では,90パーセント以上の人口にワクチンを接種して免疫化しないと集団免疫が働きません。

ワクチンの完成と徐々に感染者が出て広くか免疫を持つ人が広がることが、COVID-19の収束には必要不可欠です。

参考

Li, Qun and Guan, Xuhua and Wu, Peng et al,. Early Transmission Dynamics in Wuhan, China, of Novel Coronavirus-Infected Pneumonia. N Engl J Med. doi:10.1056/NEJMoa2001316

https://www.nejm.org/doi/10.1056/NEJMoa2001316

Riou, Julien and Althaus, Christian L. Pattern of early human-to-human transmission of Wuhan 2019 novel coronavirus (2019-nCoV), December 2019 to January 2020. Eurosurveillance25 (4). doi:10.1101/2020.02.07.20021154

The Novel Coronavirus, 2019-nCoV, is Highly Contagious and More Infectious Than Initially Estimated
The novel coronavirus (2019-nCoV) is a recently emerged human pathogen that has spread widely since January 2020. Initially, the basic reproductive number, R , ...

新型コロナウイルスの真実 (ベスト新書): ベストセラーズ

新型コロナウイルスの真実 (ベスト新書) | 岩田 健太郎 |本 | 通販 | Amazon
Amazonで岩田 健太郎の新型コロナウイルスの真実 (ベスト新書)。アマゾンならポイント還元本が多数。岩田 健太郎作品ほか、お急ぎ便対象商品は当日お届けも可能。また新型コロナウイルスの真実 (ベスト新書)もアマゾン配送商品なら通常配送無料。

コメント