人工呼吸器を使い際に肺のコンプライアンスを考えることは肺損傷を防ぐ上で非常に重要なことですが、なかなかそのコンプライアンスを当てることは難しいです。今回紹介するのはそんな肺のことを予測できるcomputational lung modelの紹介です。
ミュンヘン工科大学(TUM)が開発したcomputational lung modelです。このモデルを使用すると、人工呼吸による損傷を軽減でき、患者の生存率を大幅に向上させることができるかもしれません。
肺のCT画像から収集されたデータに基づいて実際の肺をAIを使用してモデル化しています。さらにCTデータから読み取れる病気や怪我によってすでに損傷を受けている肺の個々の領域の状態も考慮される様です。吸入と呼気のサイクル中に発生する圧力と容積の変化を測定することにより、computational lung modelは患者の肺の個々の機械的特性を計算することが可能な様です。
このモデルが一般化すると、呼吸器による肺損傷を防ぎ、適切な呼吸管理が可能になるかもしれませんね。将来的には呼吸器に組み込まれるのでしょうかね。
参考文献
C. J. Roth, T. Becher, I. Frerichs, N. Weiler, W. A. Wall:
Coupling of EIT with computational lung modelling for predicting patient-specific ventilatory responses
Journal of Applied Physiology, 122 (2017), 855-867 – DOI: 10.1152/japplphysiol.00236.2016
C. J. Roth, M. Ismail, L. Yoshihara, W. A. Wall:
A comprehensive computational lung model incorporating inter-acinar dependencies: Application to spontaneous breathing and mechanical ventilation
International Journal for Numerical Methods in Biomedical Engineering, 33 (2017), e02787
DOI: 10.1002/cnm.2787
Computer model enables protective ventilation
C. J. Roth, L. Yoshihara, W. A. Wall:
Computational Modeling of Respiratory Biomechanics
In R. Narayan (Ed.), Encyclopedia of Biomedical Engineering, Elsevier, 2018, vol. 2, pp. 70–80
学ぶ! 究める! 医療AI─ディープラーニングの基礎から研究最前線まで─ (iv-MOOK vol.1) インナービジョン

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