ドイツのザールランド大学からThe Lancet Infectious Diseasesに発表された論文の紹介です。無症状の人の早期特定や隔離に必要な大量スクリーニングプログラムでの検査に対する高い需要を満たすために、コロナウイルス検査能力を高めるのに役に立つプールテストという方法に関する報告です。
プールテストは「複数の個人からのサンプルをプールして、高感度分子生物学的検出法を使用して単一のチューブで一緒にテストされます。プールの検査結果が陽性の場合のみ、そのプールのサンプルを個別にテストする」という方法です。
この方法が新型コロナウイルスに使用可能かどうかをこの論文では評価しています。この論文によるとRT-PCRベースの検査で、「プールごとに最大30個のサンプルをプールすると、既存の機器とテストキットでテスト容量を増やし、十分な診断精度で陽性サンプルを検出できる」様です。
検査の絶対数が限られている場合は有効な方法な可能性がありますね。大量スクリーニングには有効ですが、検査の陽性率が高い(検査対象を絞っている場合)はあまり意味がないかもしれません。
参考文献
Stefan Lohse,Thorsten Pfuhl,Barbara Berkó-Göttel,Jürgen Rissland,Tobias Geißler,Barbara Gärtner,Sören L Becker,Sophie Schneitler,Sigrun Smola. Pooling of samples for testing for SARS-CoV-2 in asymptomatic people. The Lancet Infectious Diseases. April 28, 2020, DOI: https://doi.org/10.1016/S1473-3099(20)30362-5
人類は「パンデミック」をどう生き延びたか (青春文庫) 青春出版社
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