はじめに
便と尿はヒトの健康状態を非侵襲的に検査できますが、なかなか継続的なモニタリングは難しいと言われてきました。
スタンフォード大学医学部放射線科のSanjiv S. Gambhirのチームが、癌、消化器疾患や腎疾患の検出のために便と尿を自動的に分析できるスマートトイレシステムの論文をnature biomedical engineeringに出しています。今日はその論文を紹介したいと思います。
論文に関して
今ある便座の上に備え付けて使用できる様です。面白いのは使用者を特定する為に指紋だけでなく肛門裂溝をスキャンする小さなスキャナーがついており、それで使用者を識別することが可能な様です。
標準的な比色分析法を用いて利用者の尿を分析し、動画から尿の量を計算し、ディープラーニングを用いて、便の状態を判別するブリストルスケールに従って便を分類することでデータを収集します。分析には深層学習(Deep learning)が使われており、特定の患者集団のスクリーニング、診断、および縦断的モニタリングに使用することができる様です。
最後に
この論文では、このスマートトイレを使って大規模な臨床研究をしているわけではありませんが、今後このスマートトイレを使用した大規模研究がなされると、素晴らしいデータが得られる気がします。
参考文献
Seung-min Park, Daeyoun D. Won, et al. A mountable toilet system for personalized health monitoring via the analysis of excreta. Park, S., Won, D.D., Lee, B.J. et al. A mountable toilet system for personalized health monitoring via the analysis of excreta. Nat Biomed Eng (2020). https://doi.org/10.1038/s41551-020-0534-9

文庫 銃・病原菌・鉄 (上) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫) 草思社

トイレの神様 鳥枢沙摩明王 ナガエ
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