デジタルセラピューティクス(DTx) ってご存知でしょうか?最近日本でもかなり話題になる様になってきました。日本語にすると、医療用アプリケーションや治療用アプリケーションと訳すといいでしょうか。(治療アプリ®︎は登録商標です)
2010年にアメリカ食品医薬品局(FDA)がWellDoc社の2型糖尿病患者向け治療補助用のアプリ「BlueStar」初めて承認してからアメリカではかなり広まっており、医師からアプリを処方されるという状況ができつつあります。今回紹介するアプリは治療補助用アプリケーションではなく、治療用アプリケーションです。その違いは、治療補助用アプリケーションは他の薬剤治療と組み合わせて治療に使われるアプリケーション(例えば、禁煙補助のアプリケーションは禁煙補助薬と併用されて治療に使われます。)で、治療用アプリケーションは単独で治療効果をもつアプリケーションです。今までにも、アメリカには物質使用障害治療に使われる治療用アプリケーション「 reSET 」が承認されていましたが、今回のアプリケーション「EndeavourRx」は注意欠陥・多動性障害(ADHD)の治療用アプリケーションです。
どういったアプリケーションかというと、8〜12歳のADHDの子どもがゲームを行うことで注意を高めることができるというものです。ホバーボートの様なものをコントロールして様々な障害物を避けたりするゲームの様です。
5つの臨床試験のデータに基づいて承認され、ADHDと診断された合計600人以上の子どもが臨床試験に参加して、治療効果が確かめられました。
日本では、まだ治療補助用アプリケーションも治療用アプリケーションも承認されていません。今月、日本で一番承認に近いと言われるアプリケーションが審査されるので今後の日本のDTxに期待したいと思います。
参考
Scott H Kollins, Denton J DeLoss, Elena Cañadas, et al. A novel digital intervention for actively reducing severity of paediatric ADHD (STARS-ADHD): a randomised controlled trial. The Lancet Digital Health February 24, 202 DOI:https://doi.org/10.1016/S2589-7500(20)30017-0
Akili Announces FDA Clearance of EndeavorRx™ for Children with ADHD, the First Prescription Treatment Delivered Through a Video Game
マンガでわかる 大人のADHDコントロールガイド 法研
仕事&生活の「困った!」がなくなる マンガでわかる 私って、ADHD脳!? (大和出版) PHP研究所
コメント