アメリカのボストン大学、カナダのトロント大学、スイスのベルン大学のチームから変形性膝関節症に関する面白い論文がJournal of the American Medical Association(JAMA)に投稿されたので紹介したいと思います。
変形性膝関節症による膝の痛みを伴う220人の参加者を対象とした無作為化臨床試験
無作為化された220人の参加者(平均年齢、65.2歳[SD:9.3年]、104人の女性[47.3%])のうち219人をアウトソール(靴底)に個別に調整可能な外部凸型ポッドが付いた靴(生体力学的靴)群(n = 111)と調整可能でない靴群:対照群(n = 109)に無作為に割り付けられて、24週間のフォローアップの膝の痛みを主要評価項目として試験が行われました。痛みの評価方法としてはa lower Western Ontario and McMaster Universities Osteoarthritis Index pain subscore (range, 0-10) を用いて行われました。
結果は24週間のフォローアップで生体力学的靴群では対照群と比較して統計学的に優位に痛みが改善したが臨床的重要性は不明とのことでした。
JAMAのサイトでは実験に使用された靴の図が付いていなかったので生体力学的靴がどんな見た目なのかはわかりませんが、日本でもインナーソールを使用することはありますが、アウトソールすなわち靴底で調整する靴には興味があります。どの様な形の靴なのか気になりますね。
参考文献
Effect of Biomechanical Footwear on Knee Pain in People With Knee Osteoarthritis
The BIOTOK Randomized Clinical Trial
Stephan Reichenbach; David T. Felson; Cesar A. Hincapié; et al
JAMA. 2020;323(18):1802-1812. doi:10.1001/jama.2020.3565
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