はじめに
平成29年の厚生労働省の患者調査では、日本における糖尿病として治療されている患者は22.4万人程度とされており。さらに糖尿病の予備軍は1000 万人と推計されており、公衆衛生上非常に大きな問題と言えると思います。
糖尿病の治療には食事療法や運動療法、内服そして注射薬を使用した治療がありますが、今回は糖尿病治療に使われる注射薬に関する論文です。
論文に関して
基礎研究ですが糖尿病に関する面白い論文があったので紹介したいと思います。スタンフォード大学から出された論文で糖尿病のブタに対する研究結果です。
アミリンはインスリンと相乗的な役割を果たし、インスリン単独よりも効果的な方法で食事後の血糖値を制御することは知られており、アミリン自体も糖尿病の治療に使われていますが、一回の注射タイミングで2回自己注射を行うというのは患者さんの負担が大きくなかなか一般化していません。今回の研究ではインスリン分子とアミリン分子を一緒にCB-PEGと呼ばれるもので保護コーティングする新規技術を試しています。
今回の研究では同時投与は、共分泌されたインスリンとアミリンの内因性動態をよりよく模倣し、二重ホルモン補充療法として有望とのことでした。
最後に
糖尿病に悩む患者さんは多く、この新しいインスリン治療法は今後の糖尿病治療の方法を変えるかもしれませんね。今回は動物を使った事件ですが、今後ヒトでの実験がなされる様になることを期待したいですね。
参考文献
Maikawa, C.L., Smith, A.A.A., Zou, L. et al. A co-formulation of supramolecularly stabilized insulin and pramlintide enhances mealtime glucagon suppression in diabetic pigs. Nat Biomed Eng (2020). https://doi.org/10.1038/s41551-020-0555-4

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