痛風発作の辛さはなった人にしかわからないですよね。そして痛風はしっかりと高尿酸血症をコントロールしていないといつ起こるかわからないという怖さがあります。そんな血中尿酸値を監視する新しい酵素的尿酸バイオセンサーを利用したシステムをテキサスA&M大学の研究者たちが雑誌Sensorsに報告しています。今日はこの論文に関して紹介したいと思います。
テキサスA&M大学の研究者たち患者が開発したのは、血中尿酸値を簡単に自己監視できる低侵襲のバイオセンサーシステムで、血管の近くの部位に酵素的尿酸バイオセンサーを皮膚の真下に挿入することで尿酸値を正確かつ頻繁に測定することが可能になるかもしれないシステムです。
原理としては、ベンゾポルフィリンを用いたセンサーを利用している様です。ベンゾポルフィリンはLEDの光に当たると活性化し、しばらくすると、段階的に活性を失い、最終的に発光します。ここで研究者たちが目をつけたある種の酸素は、通電状態のベンゾポルフィリンの寿命に影響を与える可能性があるそうです。またその酵素は、尿酸値が高くなれば少なくなることがわかっており、この二つを結びつけることで、尿酸値の上下と酵素量の上下そして、ベンゾポルフィリンの寿命の長短を使って酵素的尿酸バイオセンサーの仕組みを開発したようです。
この実験はまだ、in vitroの研究ですが、今後実用化され、実臨床で使用することができると尿酸コントロールや痛風の早期発見等に繋がる可能性があり、高尿酸血症の適切な管理に繋がる可能性があると思います。早い、実用化が望まれますね。

An Optical Urate Biosensor Based on Urate Oxidase and Long-Lifetime Metalloporphyrins
Tokunbo Falohun, Michael J. McShane
Sensors 2020, 20(4), 959; https://doi.org/10.3390/s20040959

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