パンデミックスピードでのワクチン開発

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Photo by CDC on Unsplash

COVID-19の流行下において様々な面で今までの状況と違いますが、大きな違いはワクチン開発の面でもみられます。ワクチンは感染制御において非常に重要な役割を果たしますが、ワクチンの開発には通常かなりの時間がかかります。(通常は数年かかることが多い)しかし、現在のワクチンの開発の状況は今までと大きく違っています。
まず一つは、今までの感染症とは比べ物にならないくらいの多くの国、団体、会社、大学、研究者がワクチンの開発に同時に取り組んでいすることです。現在は、もっとも開発が進んでいるCanSino Biologics Inc.のワクチンはすでにPhaseⅡに進んでいる様です。アメリカでもかなり急ピッチで開発が進んでいます。
次に今までのワクチン開発とは違い、様々な段階が同時並行的に行われていることです。下の図の様に開発フェイズでは動物実験と人体実験をある程度同時に進めていること、そして生産フェイズを通常より早い段階で進めていることが挙げられます、もちろん有害事象やワクチンの効果がなく生産フェイズが無駄になる可能性等リスクも多いですが、現在世界中で早い実用化の為に開発が進められていますが、早くてもあと半年ぐらいはかかるのではと言われています。また、ワクチンの生産に成功してもまずは自国民への供給が優先される可能性が高く、日本国内でも開発が進められています。

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Difference between Traditional Vaccine Development and Development Using a Pandemic Paradigm.

参考文献

Nicole Lurie, M.D., M.S.P.H., Melanie Saville, M.D., Richard Hatchett, M.D., and Jane Halton, A.O., P.S.M. Developing Covid-19 Vaccines at Pandemic Speed. N Engl J Med 2020; 382:1969-1973
DOI: 10.1056/NEJMp2005630

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