世界的にCOVID-19の状況は現状では少しずつ落ち着いて来ている国が多いのではないかと思います。 COVID-19の真の死亡率はどの程度なのかということに関しては議論があります(1%程度とか考えている研究者もいます)。また、WHOの発表データから死亡率を見てみると、少し奇妙な動きをしている様に見えます。
1月の後半(ほとんどの死者は中国、特に武漢)であった頃は死亡率は2%程度でした。世界的に流行になるにつれて死亡率は段々と上がって行って、3月には3.5%程度であったのが、4月の中旬頃には7%まで上昇しました。その後、5月中旬から段々と死亡率が低下してき、6月に入って5%台まで低下しました。
世界のCOVID-19の致死率(WHO発表データから)
この数値の動きは、多くの研究者が検査が充実し(重症者だけでなく、軽症者にまで十分検査が行き渡ることで感染者に対する死亡者の数が減る)、医療崩壊状態が改善されれば下がるだろうと思っていた値と乖離があります。
原因としてはCODIV-19の場合は不顕性感染(もちろん現状では世界的に検査されていないことが多い)や十分な検査が確保されていない国等が多いことがあげられると思われます。さらに死亡原因は詳しく調べられ、記録される可能性が高いが、全ての症例が記録されるとは限らない点も考慮しないといけないかもしれません。
あと考えられるのは、ある特定の日の死者はそれより前の3-4週前の感染者数でルールに基づいて分割する必要があるかもしれません。もう一つ考えられるのは感染のピークが去っても死亡のピークはその2-4週間後にくる為見かけの死亡率が高く出てしまう可能性があるという事が上げられると思います。
今後のデータ等で、真の致死率に近い値は出てくると思いますが、それはどの程度なのでしょうか……。
参考
Coronavirus disease (COVID-19) pandemic

Anirban Basu, Estimating The Infection Fatality Rate Among Symptomatic COVID-19 Cases In The United States. Health Affairs, MAY 07, 2020, https://doi.org/10.1377/hlthaff.2020.00455
影響力の武器[第三版]: なぜ、人は動かされるのか 誠信書房

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