ボストン大学医学部の研究者らから目をスキャンニングすることで、生物学的老化を検出できるかもしれないという論文が発表されてので紹介したいと思います。
Olga Minaeva, PhD, Srikant Sarangi, PhD, Danielle M Ledoux, MD, Juliet A Moncaster, PhD, Douglas S Parsons, PhD, Kevin J Washicosky, BA, Caitlin A Black, MS, Frank J Weng, MD, Maria Ericsson, BS, Robert D Moir, PhD, Yorghos Tripodis, PhD, John I Clark, PhD, Rudolph E Tanzi, PhD, David G Hunter, MD, PhD, Lee E Goldstein, MD, PhD, In Vivo Quasi-Elastic Light Scattering Eye Scanner Detects Molecular Aging in Humans, The Journals of Gerontology: Series A, , glaa121, https://doi.org/10.1093/gerona/glaa121

実際の年齢(継時的な)と生物学的な年齢は違うのでは無いかという疑問は昔からあり、実年齢を参考にするよりも生物学的な年齢を考慮した方が、さまざまな点で利点があることがわかってきましたが、生物学的な年齢を推測する為のものは、体表面で測定できるものがほとんどなく、体表面からの測定可能な候補としては水晶体が候補にあげられ、様々な研究がなされてきました。今回紹介する論文では、その水晶体を利用した生物学的な年齢測定に関するものです。
水晶体には、一生を通じて加齢に伴う変化を蓄積するタンパク質が含まれており、これらの水晶体タンパク質には各人の老化の生活史の永続的な記録がなされており、今回開発されたアイスキャナーは、分子レベルでの老化記録をデコードすることが可能になる様です。
準弾性光散乱法(QELS)を用いて、従来の技術では検出できなかった、生体内でのヒト水晶体タンパク質の加齢に依存した変化を検出できること、これらの効果がin vitroでの時間依存性酸化によって再現されることが証明され、長寿命の水晶体タンパク質の光散乱を、一般的にヒトの加齢に関連した損傷のバイオマーカーとして使用することが可能であることを実証されました。
ザックリ言うと、目を特殊な方法でスキャンすることで、時間経過だけでは評価できない実際の生物学的な年齢を測定できる可能性が非常に高まったことが示されました。
分子生物学講義中継〈Part3〉発生・分化や再生のしくみと癌、老化を個体レベルで理解しよう
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