言語習得って難しい。。。
大人になってから新しく言語を習得しようとすると非常に苦労します。学生時代にあれだけ勉強したはずの英語もロクに使えないですし、大学の第二外国語なんてまった覚えていません。でも、英語が使いこなせたらなというのは多くの人の理想だと思います。そんな、言語習得に役立つかもしれない技術に関する論文を紹介したいと思います。
非侵襲的末梢神経刺激による言語習得
“Non-invasive peripheral nerve stimulation selectively enhances speech category learning in adults”と題された、Science of Learning に掲載されたアメリカのピッツバーグ大学からの論文です。
ざっくり言うと、非ネイティブの成人期の音声学習を最大化するための最適な訓練条件として、「知覚閾値を超える経皮迷走神経刺激(tVNS)と非ネイティブ音声とのペアリング」があげられていました。これにより、成人の音声カテゴリー学習が促進されたというものです。
論文詳細
24人の英語母語話者を対象に、非母語の北京語の音声カテゴリーを識別する訓練をtVNS群と対照群に分けて研究は行われました。tVNSは特別に設計されたイヤホンを介した0.2~3 mAの間で変化する強度で電気刺激で行われました。対照群と比較して、tVNS群では話しやすい北京語音のペアを区別する際に13%の改善が見られましたが、難しい音の北京語では効果はほとんどないという結果でした。
tVNSがヒトの音声知覚学習を促進するために利用できる可能性があるとした上で、この現象の理由として、ascending brainstem networkが関与する可能性を示唆していました。
最後に
まだ未完成の技術ですが、成人でも、新しい言語学習のような困難な課題において、実質的に優れた結果を得ることを可能にするかもしれない技術に関する論文でした。近い将来、アメリカのスタートアップからこういった言語習得法のソリューションの提供があるかもしれませんね。
参考文献
Llanos, F., McHaney, J.R., Schuerman, W.L. et al. Non-invasive peripheral nerve stimulation selectively enhances speech category learning in adults. npj Sci. Learn.5, 12 (2020). https://doi.org/10.1038/s41539-020-0070-0

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