前にも、慢性腰痛に対する治療の記事を書きましたが、前回は運動療法に関するものでしたが、今回は薬剤による慢性腰痛の治療に関しての論文を紹介したいと思います。
アメリカのロチェスター大学からの論文でTanezumab(タネズマブ)の慢性腰痛に対する無作為化二重盲検第3相試験の結果になります。
神経成長因子(NGF)が神経系の細胞の痛みに対する感受性を高めているということがわかっており、今回の治験薬のタネズマブはNGFを阻害するモノクローナル抗体で、慢性疼痛に効果があると考えられています。Rinat Neuroscienceによって発見、開発され現在はファイザーが権利を持っている薬剤です。変形性関節症に対する第3相試験でも効果が確認されています。
2018年12月までの間に米国、カナダ、フランス、ハンガリー、日本、スペイン、スウェーデン、韓国の191施設で試験実施。
18歳以上の慢性腰痛(3ヶ月以上)をもつ腰痛強度(LBPI)スコアが5以上の患者(変形性膝関節症や変形性肩関節症、脊椎疾患の既往歴や線維筋痛症等がある患者は除外)
56週間の治療; その後24週間の追跡
プラセボ、タネズマブ皮下投与(5mgまたは10mgを8週間ごとに投与)、もしくはトラマドール徐放性経口投与(100~300mg/日)
主要評価項目は16週目にLBPIが50%以上低下した患者の割合
結果はタネズマブ10mg投与はプラセボと比較して16週目のLBPIを有意に改善し、主要評価項目を達成した。
今回の無作為化二重盲検第3相試験ではタネズマブの慢性腰痛に対する効果が確認されました。
現在、世界では、特にアメリカで慢性疼痛にはオピオイドが処方されることが多く、オピオイドの依存症が大きな問題となっており、慢性疼痛のオピオイド以外の治療法が待ち望まれているというバックグラウンドがあります。日本では慢性疼痛に対してオピオイドの使用は諸外国より多くは無いですが、慢性疼痛に悩む患者は多く、新薬の登場は待ち望まれています。日本でも、将来的に発売される可能性は高いと思われますので期待したいです。
Markman, John D; Bolash, Robert B; McAlindon, Timothy E; et al. Tanezumab for chronic low back pain, PAIN: May 19, 2020 – Volume Articles in Press – Issue – doi: 10.1097/j.pain.0000000000001928
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