はじめに
先日、「今更ながらのAppleWatchに関して」として日本でもAppleWatchで「心電図」と「 不規則な心拍の通知」に関して使用可能になりそうという記事を書きましたが、2020年9月15日にApple Watch Series 6に関するリリースが出されました。今回はそのプレスリリースに関する記事です。
Apple Watch Series 6
Apple Watch Series 6で注目するべきは、血中酸素ウェルネスセンサーとアプリケーションです。血中酸素ウェルネスセンサーはいわゆる経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2 )を緑色、赤色、赤外線LEDの4つのクラスタと、Apple Watchの背面クリスタル上の4つのフォトダイオードを使用して測定する様です。これは、一般的な医療現場で使用されているSpO2を測定する医療機器であるパルスオキシメーターの仕組みにかなり近いものです。Apple Watch Series 6では血中に取り込まれた酸素のレベルを70パーセントから100パーセントの間で表示する様です。この技術を使用することで、ユーザーは血中に取り込まれた酸素のレベルがどのように変化するのか、時間経過に伴う傾向を確認することも可能になる様です。
酸素のレベルを70パーセントから100パーセントの間で表示するのはおそらく、SpO2と動脈血酸素分圧(PaO2)は低い値では乖離が大きくなることが知られているのでこの範囲にしたのだと思われます。
SpO2に関して

SpO2は血液中にどの程度の酸素が含まれているかを示す値で、現在の医療ではパルスオキシメーターを使った、SpO2の測定は日常的に行われており、バイタルサイトしても非常に重要視されています。人間にとって、血中に酸素がどの程度含まれているかということは生きていく上で非常に重要なことです。
あまり知られていませんが、パルスオキシメーターの開発は日本で行われました。今年の4月に亡くなった、日本光電の青柳卓雄さんが1974年に採血をせずに血液中の酸素濃度を測れないかと発明されました。現在でも医療現場では、もちろん動脈採血を行いPaO2を測定していますが、当時は人の動脈血にどの程度酸素が含まれているか測定する為には採血するしかありませんでした。患者さんに苦痛を与えず簡便に、酸素化の状態を知ることができないかと開発された様です。
最後に
日本で1974年に開発され、現在も医療現場で使用されているSpO2測定機能が、新しいApple Watchの上位機種に搭載されることが決まりました。パルスオキシメーターとしての精度がどの程度かはまだわかりませんが、これを利用することで、さらに健康に生活したり、なんらかの疾患(睡眠時無呼吸症候群等)の発見の契機になる可能性がありますね。
参照
Apple Watch Series 6、革新的なウェルネス&フィットネス機能を搭載

青柳卓雄氏とパルスオキシメータ
Apple Watch Series 5(GPSモデル)- 44mmスペースグレイアルミニウムケースとブラックスポーツバンド – S/M & M/L Apple
コンテキストの時代―ウェアラブルがもたらす次の10年 日経BP
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